轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いきぬくちから
生きぬく力
小川 未明
「新児童文化 第1冊」1940(昭和15)年12月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,352 字 · 11 页
「孝二、おまえでないか。」
「僕、そんなところへさわりませんよ。」
玉石の頭から、すべり落ちた青竹を、口をゆがめながらもとへ直して、おじいさんは、四つ目垣の前に立っていました。いたずら子がきて、抜こうとするのだと思ったのです。竹馬にするには、ちょうど手ごろの竹だからでした。しかし、この辺の子供には、そんな悪い子がないと考えると、植木屋の締め方が足りなかったのかと、しゅろなわの結び目をしらべてみたが、そうでもなさそうでした。
平常から、若いものが戦争にいって死ぬのに、自分は、長く生きすぎたと思っているおじいさんは、
「これで、七、八年は持ちましょう。」と、植木屋が造りながらいったのを聞いたとき、そのころには、孝二は、中学を卒業するであろうし、自分は、生きているかどうか、わからないと思ったのでした。
「孝二、見つけたら、しかってくれ。」
おじいさんは、垣根のきわに植わっている、まだつぼみの堅いじんちょうげの葉についたどろを洗ってやりました。若いうちは、なんでもぞんざいに取り扱ったのが、年をとると、どれにも自分と同じような生命があるように思えて、いたわる心が生ずるのでした。