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ちょうないのにてんさい

町内の二天才

坂口 安吾

「キング 第二九巻第一四号」1953(昭和28)年12月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,836 字 · 26 页

青空文庫

なぞと、親が河原や原ッぱの子供野球の監督然とスコアをとって、その日の出来によっては夕食にタマゴの一ツもフンパツしようというコンタンである。

「子供が野球の練習に精をだすのは将来のためだからいいけどさ。お前さんが仕事をうッちゃらかして子供の野球につきあっちゃ困るじゃないか。おサシミの出前を届けに行って、三時間も帰りゃしない。小僧が二人もいるのに、お前さんが出前を届けるこたアないよ。明日からは出前にでちゃいけないよ」

「そうはいかないよ。来年度の新チームを編成したばかりだ。次週の土曜から新チームの県大会の予選がはじまるんだよ。長助の左腕からくりだす豪球が、ここんとこコントロールが乱れているから、ミッチリ落着いた練習をさせなくちゃアいけねえ」

「お前さんが長靴をはいて、自転車に片足つッかけて、オカモチをぶらさげて垣根の外から首を突きのばしているから、落着いてタマが投げられやしないッて長助がこぼしているよ。お前さんが野球の名人で長助に手ほどきしなきゃアならないというなら話は分るけど、五間とタマを投げることもできないくせにさ。オカモチぶらさげて、自転車に片足つッかけて、電柱にもたれてさ。