轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

うみがめ

異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二

岡本 綺堂

岡本綺堂『異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二』。同一底本的分册已合并为一书。收入:海亀、鴛鴦鏡、鐘ヶ淵、こま犬、水鬼、指輪一つ、離魂病、木曽の旅人、西瓜、白髪鬼、百物語、妖婆、停車場の少女。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 144,507 字 · 291 页

青空文庫

これは東京から長野の方をまわって来たらしく、男は三十七八の商人体で、女は三十前後の小粋な風俗であったということです。この二人がどうしてここへ降りたかというと、女の方がやはり僕とおなじように汽車のなかで苦しみ出したので、よんどころなく下車してここに一泊して、あくる朝早々に名古屋行きの汽車に乗って行った。女は真っ蒼な顔をしていて、まだほんとうに快くならないらしいのを、男が無理に連れ出して行ったが、その前夜にも何かしきりに言い争っていたらしいというのです。

単にそれだけのことならば別に子細もないのですが、ここに一つの疑問として残されているのは、その男が大きいカバンのなかに宝石や指輪のたぐいをたくさん入れていたということです。当人の話では、自分は下谷辺の宝石商で家財はみんな灰にしたが、わずかにこれだけの品を持出したとか言っていたそうです。したがって、宿の者の鑑定では、その指輪はあの男が落して行ったのではないかというのですが、九月九日から約十日のあいだも他人の眼に触れずにいたというのは不思議です。また、果してその男が持っていたとすれば、どうして手に入れたのでしょう。