轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
岡本綺堂『異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二』。同一底本的分册已合并为一书。收入:海亀、鴛鴦鏡、鐘ヶ淵、こま犬、水鬼、指輪一つ、離魂病、木曽の旅人、西瓜、白髪鬼、百物語、妖婆、停車場の少女。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 144,507 字 · 291 页
大原右之助は二十二歳で御徒士組の一人としてきょうのお供に加わって来ていた。かれは午飯の弁当を食ってしまって、二、三人の同輩と梅若塚のあたりを散歩していると、近習頭の山下三右衛門が組頭同道で彼をさがしに来た。
「大原、御用だ。すぐに支度をしてくれ。」と、組頭は言った。
「は。」と、大原は形をあらためて答えた。「なんの御用でござります。」
「貴公。水練は達者かな。」と、山下は念を押すように訊いた。
「いささか心得がござります。」
口ではいささかと言っているが、水練にかけては大原右之助、実は大いなる自信があった。大原にかぎらず、この時代の御徒士の者はみな水練に達していたということである。それは将軍吉宗が職をついで間もなく、隅田川のほとりへ狩に出た時、将軍の手から放した鷹が一羽の鴨をつかんだが、その鴨があまりに大きかったために、鷹は掴んだままで水のなかに落ちてしまった。お供の者もあれあれと立ち騒いだが、この大川へ飛び込んでその鷹を救いあげようとする者がない。一同いたずらに手に汗を握っているうちに、御徒士の一人坂入半七というのが野懸けの装束のままで飛び込んで、やがてその鷹と鴨とを臂にして泳ぎ戻って来たので、将軍はことのほかに賞美された。