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しろいくも

白い雲

小川 未明

「お話の木」1937(昭和12)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,755 字 · 16 页

青空文庫

小山の磁石は、敏ちゃんのより、形は小さいけれど、赤いところも全部ついていて、吸いつける力は強かったのでした。敏ちゃんの磁石は、大きいけれど力が弱かったのです。

「君、どれだけ?」と、敏ちゃんは、砂鉄を取るのに、負けるような気がして、きくと、小山は、

「まだ、こればかしさ。」といって、しわくちゃになった、どろだらけの紙を開いて見せました。

「たくさん取れたね。僕の磁石は、だめだ。」と、敏ちゃんは、自分の磁石が、ただ大きいばかりだというのが、なんとなく歯がゆくなりました。

「それに、電気をかけると強くなるのだぜ。」と、小山が教えました。

「電気?」

敏ちゃんは、そのことを、はじめて知ったのです。さっきから、この不思議な力は、いったいどこからくるものかということを考えていたのでした。大きくなれば、わかるだろう。けれど、あの太陽をだれが造ったのかわからないうちは、あるいは、この力もどこから生まれるかということはわからないのかもしれないと、思いながら、茫然として、青空を仰いだのでした。

「君っ、ベルが鳴ってしまったんだ!」

こう叫ぶと、小山は、あわててはね上がりました。