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しろつばき
白椿
海若 藍平
「九州日報」1922(大正11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,775 字 · 6 页
それからこの女の児がする事は、何一つとしてちえ子さんを感心させない事はありませんでした。
遊びに誘いに来るわるいお友達はみんな、お母様にたのんで断って頂いて、よいお友達と遊ぶようにしました。
「ちえ子のちえ子の大馬鹿やい。ちえ子の知恵無し落第坊主、一年二度ずつエンヤラヤ、学校出るのに……ツーツータアカアセ」
と悪い男の生徒がはやしても、家の中から笑っていました。
そのほか勉強のひまには編物をお母さんから習いました。夜はお祖父さまの肩をもみました。お母様のお使い、お父様の御用向でも、ハイハイとはたらきました。そうして自分の事は何一つお母様やお祖母様に御迷惑をかけませんでした。
お家の人は皆驚いて感心をして賞め千切って、いろいろのものを買って下さいました。しかし女の児はそれを大切にしまって、今までちえ子さんが使い古したものばかり使いました。
けれどもお家の人よりも何よりも驚いたのは学校の先生でした。今までは何をきいてもうつむいてばかりいたちえ子が、今度は何を聞いてもすっかり勉強しておぼえていて、時々は先生も困る位よい質問を出します。
そればかりでなく、今まで運動場で遊んでいても、直に泣いたり、おこったり、すねたり、よけいなにくまれ口をきいたりして嫌われていたちえ子が、急に親切にやさしくなって、どんな遊戯でも