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しろへびのし

白蛇の死

海野 十三

「新青年」博文館、1929(昭和4)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,881 字 · 24 页

青空文庫

というのは、恋女房の棺の横に坐って始終腕組みをしていた吉蔵親分が、つと焼香に立った喜多公を見て、悲痛な言葉を浴びせたに始まる。

「喜多公、よく覚えて置けよ。殺された女の恨みは七生祟るっていうからな」

「何んですねえ、親分。冗談じゃねえ」

「なに! 女房が殺されたってのに、冗談口を利く亭主が何処にある。てめえの為を思うから言ってやるんだ。後世の事を思ったら、今の内に――」

「親分! 乙に絡んだものの言い方をしやすね」苦笑いをしていた喜多公は、そこまで言われるとキッとなって形を改めた。「冗談なら冗談でいいが、親分! それを本気でお言いなさるんなら黙っちゃいませんぜ。べら棒め、姐御の屍骸が何を喋っているか知ってるなア、一人ばかりじゃねえ!」

「何んだと? てめえはそれじゃ、おれの恩を仇で返す気だな。よし、そんなら言って聞かせる事があらあ。一体、お由の屍骸を一番初めに見附けて来たなあ何処の何奴だ。あの晩、てめえは何処で何をしていやあがったんだ。お由の胸へ匕首を差し附けて……」

「親分、それじゃ姐御を殺したなあ、あっしだと言うのか!」

「胸に聞いたら判ることだ」

「何んだと!」