轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ひゃくゆきょう

百喩経

岡本 かの子

「三田文学」1934(昭和9)年11月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,474 字 · 21 页

青空文庫

さいわい黍畑は続いて居た。はるかに瑠璃色の空を刻み取って雪山の雪が王城の二つ櫓を門歯にして夕栄えに燦めいて居た。夢のような行列はこれ等の遠景を遊び相手にたゆたいつつ行く。

「あの姫にこのおれを認めさせずに行かせるのは残念だ。姫は二度とこういう田舎へは来ないだろう。野の土くれの存在をああいう虹にうつしとめて置くということは――何だか分らないが、一生の生甲斐になるように思える」

黒黍の蔭を匍ってついて行った陀堀多は、そこで身を伸び上り声を叫ぼうとした。しかし腰は臆して伸びなかった。もう行列の先手は二人ずつ並んで榕樹の林の紫の影に染まって行く。

肥溜桶があった。鼬の死骸が燐の色に爛れて泡を冠っていた。桶杓が膿んだ襤褸の浮島に刺さって居た。陀堀多はその柄を取上げた。あたり四方へ力一ぱい撒いた。

風がその匂いを送って危うく榕樹の林へ入りかけようとする姫の嗅覚に届いた、姫は袖で顔を覆った。

姫に一つの強い感銘を与えたということで陀堀多はほっと満足した。しかし、あの美しいものを不快がらしたと思うといじらしくてならなくなった。

陀堀多は黍の中で泣いた。

殺二商主一祀レ天喩