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えいきょ
盈虚
「政界往来」1942(昭和17)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,655 字 · 16 页
害無しと言う。公は欣び、賞として領邑を与えることにしたが、筮師は公の前を退くと直ぐに倉皇として国外に逃れた。現れた通りの卦を其の儘伝えれば不興を蒙ること必定故、一先ず偽って公の前をつくろい、さて、後に一散に逃亡したのである。公は改めて卜した。その卦兆の辞を見るに「魚の疲れ病み、赤尾を曳きて流に横たわり、水辺を迷うが如し。大国これを滅ぼし、将に亡びんとす。城門と水門とを閉じ、乃ち後より踰えん」とある。大国とあるのが、晋であろうことだけは判るが、其の他の意味は判然しない。兎に角、衛侯の前途の暗いものであることだけは確かと思われた。
残年の短かさを覚悟させられた荘公は、晋国の圧迫と太子の専横とに対して確乎たる処置を講ずる代りに、暗い予言の実現する前に少しでも多くの快楽を貪ろうと只管にあせるばかりである。大規模の工事が相継いで起され過激な労働が強制されて、工匠石匠等の怨嗟の声が巷に満ちた。一時忘れられていた闘※(「奚+隹」、第3水準1-93-66)戯への耽溺も再び始まった。雌伏時代とは違って、今度こそ思い切り派手に此の娯しみに耽ることが出来る。金と権勢とにかして国内国外から雄※(「奚+隹」