轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

もうもくものがたり

盲目物語

谷崎 潤一郎

「中央公論」1931(昭和6)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,341 字 · 148 页

青空文庫

国へおいであそばすおくがたのさき/″\をおあんじ申し上げ、なにとぞ御夫婦仲がおんむつまじくまいりますように、このたびこそは幾久敷お家もさかえ、共白髪のすえまでもおそいとげなされますようにと、たゞそればかりをおいのり申しておりました。なれども、さいわいなことにかついえ公はおもいのほかおやさしいおかたでござりまして、亡君のいもうとごということをおわすれなく御たいせつにあそばされましたし、人の恋路をさまたげてまでおもらいなされたゞけあって、ずいぶんかあいがってお上げなされましたので、北の庄のおしろにつかれましてからは、おくがたも日々に打ちとけられ、殿のおなさけをしみ/″\うれしゅうおぼしめしていらっしゃいました。そういう風でおもてはさむくとも御殿のうちはなんとなく春めいたこゝちがいたし、まあこれならば御えんぐみあそばしたかいがあったと、しも/″\の者も十年ぶりでうれいのまゆをひらきましたのに、それもほんの束の間でござりまして、もうその年のうちにかっせんがはじまったのでござります。

最初、かついえ公は此の中のことを水にながして仲直りをなさろうとおぼしめされ、御こんれいがござりましてから間もなく、のちの加賀大納言さま利家公、不破の彦三どの、かなもり五郎八どの、ならびに御養子伊賀守どのをお使者になさ