轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しょうせんでんしゃのしゃげきしゅ
省線電車の射撃手
海野 十三
「新青年」博文館、1931(昭和6)年10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,355 字 · 45 页
車内の人々は、少女が居眠りから本眠りとなり、うっかり打転ったのだったと思った。乗客たちは、洋装のまくれあがったあたりから覗いている真白のズロースや、恐いほど真白な太股の一部に灼けつくような視線を送りながら、今この少女が起きあがって、どのような魅力のある羞恥をあらわすことだろうかと、期待をいだいた。だが、一同の期待を裏切って、少女はなかなか起き上ろうとしなかった。ピクリとも動かなかった。
「様子がヘンじゃありませんか、皆さん!」
そう云って立ち上ったのは、商人体の四十近くの男だった。一座は俄かにザワめいて、ドヤドヤと少女の周囲に馳けよった。
「早く起してやり給え」
こう云ったのは、探偵小説家戸浪三四郎のうわずった声音だった。
「モシモシ、娘さん」と甲斐甲斐しく進みでた商人体の男は、少女の肩を、つっついた。無論、少女はなんの応答もしなかった。さらばと云うので、彼氏は右手を少女の肩に、それから左手をしたから少女の胸に差入れて、グッと抱え起した。少女の頭はガクリと胸に垂れ下った。ヌルリと滑った少女の胸部だった。
「呀ッ」抱きおこした少女を前から覗いた男が、顔色をかえて、背後の人の胸倉に縋りついた。