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まひるのおばけ

真昼のお化け

小川 未明

「お話の木」1937(昭和12)年8月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 7,904 字 · 16 页

青空文庫

「どうして、こんなところに、えびがあったんだろうな。」

考えれば、考えるほど、不思議でなりませんでした。それから、このえびをどうしたらいいかということにも迷ったのでした。家へ帰って、すぐ水に入れてみよう、そして、生きたら飼っておこう、もし生き返らなかったら、そうだ、標本にしようか?

だが、もっと気にかかるのは、悪い病気のはやる時分に、こんなものを拾って帰ると、きっとお父さんもお母さんも、やかましくいって、しかることでした。だから、家の人たちの目につかないところに置かなければならない。

光一は、頭に、いろんなことを考えながら、原っぱの真ん中に、立ち止まって、えびを鼻先へぶらさげて匂いをかいでみました。まだ、海を泳いでいた時分の、磯の香が残っていました。

「きっと、生き返るかもしれない。」

彼は、かばんから、半紙を出して、えびを包みました。そして、急ぎました。家へ着くと、洗面器に塩水を造って、入れてみたのです。けれど、やはり、えびは動きませんでした。彼は、ともかく、この、えびを勇ちゃんに見せようと思って、また紙に包んで、生け垣の間へ隠しました。

「茶だなの上に、おやつがありますよ。