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かみさまのふとん
神様の布団
下村 千秋
「赤い鳥」赤い鳥社、1925(大正14)年4月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,585 字 · 10 页
お客が行ってしまってからも、主人は一人でぷりぷり怒っていましたが、とにかく一度その布団を調べてみようと思い、二階のお客の部屋へ上って行きました。
布団のそばにすわってじっと様子をうかがっていると、やがて子供の声がしてきました。それはたしかに一枚の掛け布団からするのでした。あとの布団はみんな黙っています。そこで主人は、これは不思議だと、二人のお客にまでつけつけと言ったことを後悔しながら、その掛け布団だけを自分の部屋へ持って来て、そしてそれを掛けて寝てみました。子供の声はたしかにその掛け布団からするのでした。
「お前、寒いだろう。」
「いいえ、兄さんが寒いでしょう。」
主人は一晩中眠ることが出来ませんでした。
夜の明けるのを待って、主人はその布団を買った古着屋へ行き、その話をくわしくしました。古着屋の主人は、そんな布団のいわれは知らないが、その布団は、出入りの古着商から買ったというのです。そこで宿の主人はその出入りの古着商をたずねて行きますと、その人は、あの布団は、町の場末にあるひどく貧乏な商人から買ったのだと言うのでした。で、宿の主人は布団のいわれを探し出すために、根気よくそれからそれへとたずねて行きました。