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かがくひはんのかだい
科学批判の課題
三木 清
「新興科学の旗のもとに」新興科学社、1928(昭和3)年10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,229 字 · 40 页
概念と実験との間にはいかなる本質的なる差異があるであろうか。概念すなわちギリシア人のいうλ※γο※(ギリシア小文字ファイナルSIGMA、1-6-57)の最も固有なる機能はアリストテレスに従えば存在を顕わにする(※(重アクセント付きα、1-11-38)ποφα※νεσ※αι)、光の中に持ち出して見ゆるものとするということにある。存在とは本性上見ゆるもの、自己みずからを明るみのうちに示しているもの、すなわち、根源的なる意味における現象(φαιν※μενον)である。現象はみずからにおいて明るみに在るもの、したがってそれは見逃されることの出来ぬものである。それはそのものとして捕捉されることを要求する。この要求はそのもの自身において存在している。アリストテレス学派において知られた言葉を用いるならば、ひとは現象を救わねばならない(σ※ζειν τ※(重アクセント付きα、1-11-38) φαιν※μενα)。ロゴスはあたかもかかる要求に応ずるものである。もとより本性上最もよく見ゆべき存在が我々にとっても最もよく見ゆるということはいい得ない。むしろかかるものこそ我々にとっては隠されている。