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かがくほうほうろん
科学方法論
戸坂 潤
「科学方法論」岩波書店、1929(昭和4)年6月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,035 字 · 284 页
詩に就いて述べられたことは略々そのまま所謂芸術の一般に、又道徳・信仰等々に就いても述べられ得る。ストア学徒に従って道徳と学問とを同一視し、又スコラ学徒に従って信仰と学問とを同一視することが出来たとしても、学問は常にみずからを他の一切のものから、みずからに固有な学問性によって、区別しなければならない。
学問をその一項とする分類、学問が学問以外のものに対する分類は、之までとしておいて、学問がその内部に於て、どういう風に分類され、又されることが出来るかを、見よう。
科学と哲学と――吾々の国語は両者を区別する――は今日二つの種類の学問と考えられるのを普通とする。そして恐らく学問に於ける最も根本的な最も屡々必要な区別として人々はこの区別を要求しているであろう。吾々は先ず始めにこの区別に就いて言葉を費す義務を感じる。
第一に、科学と哲学とのこの対立が、学問の永い歴史の内では、極めて後の時代にぞくする近代的な学問形式に於て、初めて著しく現われて来たものに過ぎない、ということを注意しなければならない。十八―十九世紀に至って、自然科学が隆盛となるにつれ、自然科学的世界観は、或いは一般に自然主義の名の下に、或いは唯物論の名の下に、従来の伝統を形づくっていた学問――哲学――を圧倒しようとする勢を示して来たのは人々の知る通り