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かがくほうほうろん

科学方法論

戸坂 潤

「科学方法論」岩波書店、1929(昭和4)年6月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,035 字 · 284 页

青空文庫

之をより精密に云うならば、法則は一般にテンソルからなる共変的微分方程式として与えられる。さてそうすれば重力の法則も亦そのような方程式として与えられなければならない。アインシュタインの計算によって、重力の法則は一種のテンソル――基本テンソル――からなる共変的関係として示された。そしてこの共変的関係はリーマン・クリストッフェル・テンソルが零となる方程式としてまず第一に与えられる。之が座標軸の変換によって生起消滅すると考えられた重力の場に就いて行なわれる重力の法則に他ならない。この重力の場は恒常なる重力を含まない世界を云い表わす。恒常なる重力の場に於て行なわれる重力の一般的法則は、特殊なリーマン・クリストッフェル・テンソルが零となる方程式として与えられる。前者は後者の特殊な場合――恒常なる重力=0の場合――に他ならないことが知られる。――さて処が、今基本テンソルと呼ばれたものは実は、世界に於ける微線分の関数に外ならないのである。即ちそれは幾何学に於て――ガウスがそれを研究した――空間各点の曲率であったのである。故に今や次のことが帰結しなければならない、重力の存在は世界各点の曲率と同値であると*。