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ほだかだけやりがたけじゅうそうき

穂高岳槍ヶ岳縦走記

鵜殿 正雄

「山岳 五の一」1910(明治43)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,443 字 · 17 页

青空文庫

槍からは大体支脈が四つ、南のは今まで通った処、一番高大、その次は西北鷲羽に通ずる峰、次はこの峰を半里余行って東北、高瀬川の湯俣と水俣との間に鋸歯状をなして突き出している連峰、一等低小のが東に出て赤ノ岳に連る峰。これらの同胞に登って、種々調査をしたなら趣味あることだろう。

十四 坊主小屋

四時下山し、殺生小屋を過ぎ、二十分で坊主小屋、屋上には、開山の播隆上人の碑、それを見越して上は、先きに吾々の踏まえていた大槍、今は頭上をうんと押さえつけて来る、恐ろしいほど荘厳だ。小屋の内に這入って見ると、薄暗い、片すみに、二升鍋が一個と碗が五つ六つ、これは上高地温泉で登山者のためとて、備品として置かれたもの、今後この小屋で休泊するものは、大いに便利だろう、何か適法を設け、各処の小屋の修理や食器等の備え付をしたいものだ。此処で残飯を平らげ、鞋の緒をしめ、落合の小屋「信濃、二ノ俣の小屋、嘉門次」「信濃、槍(宛字)、類蔵」に向う。

十五 落合ノ小屋

六時半、赤沢ノ小屋を見舞う、此処は昨今の旱天続きで容易に水を得られぬから、宿泊出来ぬそうだ。七時二十分には、目ざす落合ノ小屋、処は梓川と二ノ俣川との合流点、小屋というても、小丸太五、六本を組み合せ、小柴を両側にあてた一夜作りのもの、合羽でもないと雨露は凌げぬ、水や燃料