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くうちゅうひょうりゅういっしゅうかん
空中漂流一週間
海野 十三
「名作」1939(昭和14)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,324 字 · 35 页
「火の玉」少尉は、どこまでも相手を呑んでかかった。
呉越同舟
それから、この奇妙な日ソ組合せによる空中漂流がつづいた。
マイクロフォンの修理はできたけれど、これをつけても送信器は働かなかった。マイク以外に、故障ができたものらしく、専門家でない六条には、すぐさまその故障箇所を見つけることができなかった。
だから無電器械は、受信器だけが役に立った。
「ハア、××繋留気球第一号!」
といつまでもこっちを呼んでいるのが聞えたが、その声は、だんだんと強さを減少していく。それはいよいよ××陣地から遠く距ったことを意味するのであった。
無電は、しきりに救援の飛行隊が出動したことを報じていた。
たしかに、それに違いなかった。午前二時ちかくだったであろうか、赤青の標識をつけたすこぶる快速の偵察機らしいのが一機、漂流気球に近づいた。
「おいキンチャコフ。俺も振るから、貴様もこの懐中電灯をもって、こういう具合に振れ。いいか」
六条は、キンチャコフにも信号をさせて、二人のうちのどっちかが偵察機に認められればいいと思ったのである。
キンチャコフは、あまり気がすすんでいなかったようであるが、それでも協力して懐中電灯を輪のように振った。