轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くうしゅうそうそうきょく

空襲葬送曲

海野 十三

「朝日」1932(昭和7)年5月~9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 95,012 字 · 189 页

青空文庫

「誰だッ」

「やッ。保狸口がやられたッ」

「保狸口が、やられたかッ。折角、アナウンサーの換玉に、ひっぱって来たのに……」

同志は、口々に、喚いた。

「射った奴を探せ!」

「同志の顔を、一々調べて見ろ!」

そこへ、ドタドタと駈けこんで来たものがあった。

「市内に、電灯が点きはじめたぞ。僕たちの放送は、うまく行ったらしい。同志、出て来て見ろ!」

ワッというと、誰も彼もが、表へとびだした。

なるほど、今まで暗澹としていた空間に、あちこちと、馴染のある電灯が、輝きだした。電灯が点いてみると、全市を焦土と化してしまったかと思われた火災も案外、局部に限られていることが、判った。

「ラジオが、聞えたぞ」

「電灯も点いたぞ」

市民は、聞きなれたアナウンサー(だと思った)の声を聞き、母の懐のようになつかしい電灯の光を浴びて俄かに元気をとりかえしたのだった。

愛宕山の上では、暴徒の指導者、鬼川が、一人で恐悦がっていた。

「見ろ、市民は、うまうま一杯、かつがれてしまったじゃないか。これで、大東京の輪廓が、はっきり浮び上るのだ。米国空軍の目標は、これで充分だ。あとは、約束の賞金にありつく許り。