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くうしゅうけいほう
空襲警報
海野 十三
「少年倶楽部」別冊付録、大日本雄弁会講談社、1936(昭和11)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 45,838 字 · 92 页
「あッ、やったぞ、爆弾投下だッ……」
誰かが大声で叫んだ。
白い爆弾の群は、斜に大きな曲線をえがいて落ちてくる。……一秒、二秒、三秒……。
ヒューッ、ウウーンという不気味な唸音をきいたかと思ったその瞬間、
グワ、グワ、グワーン。
ドドドドーン。
ガン、ガン、ガン、ガン。
目がくらむような大閃光とともに、大地が海のようにゆらいだ。ものすごい大爆発! まぢかもまぢか、聴音機の大ラッパがたちまちもげて火柱の間を縫うように吹きとんでゆく。それをチラリと見たが……。
「ウウーン。ば、万歳!」
悲痛なさけびごえ。
それにしても、ものすごい狙だ。わが部隊をぶっつぶそうとてか、破甲弾をなげおとしたのだった。
「……照準第一、あわてるなッ」
どこからか、川村中隊長のさけぶ声が響いてきた。
「中隊長どの、平気の平左であります……」
タダダダーン。シューッ。ダダダダーン。
勇猛なる兵は、手足をもがれても、部署から離れぬ。砲弾は、照空灯の光の柱をおいつづける。もう一弾!
それ、もう一弾!
ピカピカピカと、空中に奇妙な閃光が起ると見る間に、ぶるンぶるンと異様な空気の震動――とたんにパッと咲いた真赤な炎! あッという間もなくメラメラと燃えひろがり、クルクルクルとまわりだした。