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くうしゅうけいほう
空襲警報
海野 十三
「少年倶楽部」別冊付録、大日本雄弁会講談社、1936(昭和11)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 45,838 字 · 92 页
舳に立つと、互に離れないように、艫と艫とを太い縄で結びあわせた僚船の姿が、まだ寝足りなそうに浮かんでいるのが見えた。この天気では、今日もどうやら不漁のような気がする……と思いながら、彼は明けゆく海原を前にして、ジャアジャアと用をたしはじめた。
そのときであった。
「はてな、変な音がする……」
彼はふと遠い空から、異様な響の聞えてくるのをきいたのだ。
「ああ、そうか。……こいつはまた海軍の演習にぶつかったかな」
海にくらしている彼等にとって、何よりも嬉しいことは、思いがけぬ海上で、わが艦隊の雄姿を見ることだった。これも、演習で、海軍機が飛んでいるんだろう。……
「だが、海軍機にしちゃ、すこし音が変だな。非常に音が高いし、その上、おそろしく響く音だ! なんだろう」
磯吉はまだ気がつかず、ボンヤリと眺めていた。怪音は、すばらしい速さで、ゴウゴウと大きくなってきた。音の来る方角が始めてわかったので、磯吉は好奇心にかられながら、なおも空を見上げていると、やがて晴れゆく朝霧の向こうに認めた機影!
一機、二機、三機、……
いやそれどころではない。たいへんな数だ。しかも驚いたのは、その飛行機の形だ。