轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

まどのしたをとおったおとこ

窓の下を通った男

小川 未明

「赤い鳥」1926(大正15)年7月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,485 字 · 10 页

青空文庫

彼はしかたなく、疲れた足を引きずって、田舎道を歩いて、さびしい、自分の小屋のある、村の方へ帰っていくのでした。

ここにその途中のところで、道ばたに一軒の家がありました。そう大きな家ではなかったが、さっぱりとして、多分役人かなにかの住んでいる家のように思われました。この道をいく人々は、ちょうど、その窓の下を通るようになっていたのであります。

ある日のこと、男は、その窓の下に立って、上を仰ぎながら、あわれみを乞うたのでありました。どうせ、家の内からは返答がないだろうと思いました。なぜなら、町では、あのように、顔を見合わせて、手を合わせて頼んでも、知らぬふうをしていき、また振り向こうともしないものを、窓の下から、しかも外の往来の上で頼んでも、なんの役にも立つものでないと考えられたからです。

「どうぞ、哀れなものですが、おねがいいたします。」と、男は、重ねていった。

ひっそりとして、人のいるけはいもしなかったのが、このとき、ふいに窓の障子が開きました。顔を出したのは、眼鏡をかけた色の白い、髪のちぢれた女の人でした。その人は、たいへんやさしそうな人に見えました。