轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
りっしゅんのたまご
立春の卵
中谷 宇吉郎
「世界」1947(昭和22)年4月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,450 字 · 17 页
今度は落著いて、畳の上に坐りこんで、毎日使っている花梨の机の上に立ててみると、三、四分でちゃんと立たせることが出来た。紫檀まがいのなめらかな机であるから、少し無理かと思ったが、こんなに簡単に立つものなら、何も問題はないわけである。細君も別の机の上に立ててみると、これもわけなく立ってしまう。なあんだということになった。
それにしても、考えてみれば余りにも変な話である。卵というものが何時でも必ず立つものならば、コロンブスにまで抗議をもって行かなければならない始末になる。それでやはりこの頃の寒さが何か作用をしているのかもしれないと思って、細君にその卵を固くゆでてみてくれと頼んだ。
ゆでた卵が簡単に立ってくれれば、何も問題はない。大いに楽しみにして待っていたら、やがて持って来たのは、割れた卵である。「子供が湯から上げしなに落したもので」という。大いに腹を立てて、早速買いに行って来いと命令した。細君は大分不服だったらしいが、仕方なく出かけて行った。卵は案外容易に手に入ったらしく、二つ買って帰って来た。もっとも当人の話では、目星をつけた家を二軒も廻って、子供が病気だから是非分けてくれと嘘をついて、やっと買って来たという。