轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいよじげんのおとこ

第四次元の男

海野 十三

「ユーモアクラブ」1940(昭和15)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,156 字 · 18 页

青空文庫

彼等は、わたくしに較べて、ずっと賢明ないしは内気であるため、その秘密について告白されないで、普通なみの人間のように振舞っていられるのではなかろうか。実際は、そういう風に取り澄ましている方が、世間に浪も立たず、御自分自身も妖怪変化あつかいされず、まともなところから立派なお嫁さまないしはお婿さまが来ることが約束されているのを無駄にしないですむと考えておられる結果であろう。ところが、このわたくしは、そういう賢明人種とはちがい、至って生来無慾恬淡の方であるからして、なにごとも構わずぶちまけて、一向に憚らない次第である。

でも、他人さまのことは他人さまの御勝手ということにして置いて、わたくしは自分のことを詳しく申し述べる所存であるが、まずこのわたくしが、初めて自分自身の消身現象に気がついたときの、あの戦慄すべき思い出を語ろうと思う。

戦慄すべき思い出――などと書いたが、見掛けは、それほど戦慄すべき事件でもなかった。あれは一昨年の夏のことであったが、わたくしは勤めから戻って、一日の汗を、アパートのどろくさい共同風呂の中に洗いおとし、せいせいとした気持になって糊のかたくついた浴衣を身体にひっかけ、宵の新宿街の雑鬧の中にさまよい出たのであった。