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だいよじげんのおとこ
第四次元の男
海野 十三
「ユーモアクラブ」1940(昭和15)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,156 字 · 18 页
そういいながら、二人の若き男女は、呆然たるわたくしをのこして向うへいってしまった。
わたくしは草原へすわりこんだまま、しばし二人の後姿を見送っていた。
(なんという暢気というか、鈍感というか、あきれた二人達れだろう。自分たちの話に夢中になって、わたくしの突き当ったことに気がつかないのだ)
だが、待てよ、どうも腑におちぬことがある。まさか、二人の目の前にわたくしが立っているのであるからして、それに気がつかぬというのはおかしい。どうもおかしい。
わたくしは、とてもへんな気持で、またそのまま、くぬぎ林の中を歩いていった。月光は、梢の間から草の上にもれて、ちらりちらりとひかっていた。
すると、わたくしは、また新しい一組の若き男女が、林の奥から、しずかな歩調でもって出てくるのを見つけた。
(なんと、二人連れの多い夜だろう)
と、わたくしは、最初憂鬱になり、ついで憤慨した。
(ついでに、こいつ等にも、ぶつかってくれよう!)
わたくしの邪心は、勃々としておさえがたく、ついにまたしても、新来の男女が、ぴったりとより添っているあたりを目がけて、どすんと突き当った。その効果は、どうであったか。