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べにすずめ
紅すずめ
小川 未明
「早稲田文学」1921(大正10)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,210 字 · 9 页
すると、からすはまた、からからと笑いました。
「おまえさんは、あのこまどりのいったことをほんとうにしていたのですか。もしそうだったらお気の毒なことです。あのとき、こまどりがいいかげんなことをいったのは、私をおそれて、私にへつらって、あんなでたらめのことをいったのです。私は、平常あのこまどりがおしゃべりなもんですから、ひとついじめてやろうと思っていたのでした。なんで、私の先祖なんかが、日輪を綱でひいたものですか。ほんとうにこまどりは、うそをいうことの名人です。あなたは、いままで、それを信じていたのですか。」と、からすはあきれたような顔つきをしていいました。
すずめは、二度びっくりしました。そして、長い三年の間の自分の苦労がむだであったことを、深く嘆き悲しみました。
「からすさん、私は、三年の間、空の上へ飛んでゆく稽古をしました。そして、いまは、雨にも風にもひるまぬ修業を積みました。しかし、それももう、なんの役にもたたなくなりましたのでしょうか。」と、すずめはいまにも泣き出しそうにいいました。
「どんな鳥でも、太陽の輝いているところまで上り得る鳥はありません。