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ぜったいてきじんかく
絶対的人格
伊藤 左千夫
正岡先生論
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,854 字 · 8 页
吾々においては、その偉人の実質を考定してこれを吾人に告ぐるの義務あるを感ぜざるを得ず。
世上の多くは、子規子の事業を云々し、子規子の議論を云々し、子規子の製作を云々す、しかれども予をもって見れば、これらの事実をもって子規子を偉人なりというは当らず、何となれば、俳句は元禄に興り天明に進歩し、明治に中興せり、子規子の事業と言わばその俳句中興の主動者たるにあり、その成功も決して小ならずといえども、それをもって子規子を偉人なりといわば偉人なるものはあまりに小なり、その議論においてももちろん偉とするに足るものあることなし、その製作は俳句を主とし写生文、歌、雑筆等なりといえども、主なる俳句についていうも、芭蕉もしくは蕪村に対して、容易にその優劣を定めがたきものあるべし、もちろん芭蕉、蕪村に有せざるものも子規子に多からんが、子規子に有せざるものの芭蕉、蕪村に多きもまた明なり、写生文、歌、雑筆等においては、これを偉人の事業としては、むしろ論ずるに足らずというを適当なりとせん。
しからば子規子は、何をもって偉人なるか、予の考うるところをもってせば、一、天稟之脳力、二、絶対的態度すなわちこれなり。