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みどりいろのとけい

緑色の時計

小川 未明

「幼年ブック」1948(昭和23)年6月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,276 字 · 7 页

青空文庫

おじさんの髪は、いつもきれいでした。そして、花畑でも通ってきたように、着物は、いいにおいがしました。そわそわと、いそがしそうに、これから、汽車に乗って、旅へでもでかけるときか、あるいは、どこか遠くから、いま、汽車でついたばかりのように、その目はいきいきとしていました。

事実、おじさんは、方々へでかけたし、ぼくたちの知らない町で、めずらしいものを見たり、いろいろの人々とあって、聞いたおもしろい話を、ぼくたち兄弟にしてくれたのでした。

ある日のこと、

「ぼく、望遠鏡が、ほしいな。」といったのです。すると、おじさんが、

「じゃ、いい望遠鏡を、さがしてやろうかな。」といいました。

「遠くが、見えるんだよ。」

「船乗りが、持つようなのさ。」

「そんなの、あっても、高いだろう。」

「なに、出ものなら、たいしたことはない。」

こんなぐあいに、おじさんの口から聞くと、なんとなく、はや、自分は、のぞみを達したもののように、うれしくなるのでした。

また、ある日のことでした。弟が、

「どこかに、スケートのくつが、ないもんかな。」と、思いだしたように、いいました。

「なに、きみは、スケートができるのかい。