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かんぞうせんせい
肝臓先生
「文学界 第四巻第一号」1950(昭和25)年1月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,194 字 · 46 页
ところが、この先生の莫大な請求書に記された患者の大部分が、例の通り、肝臓炎だ。デタラメな請求書をよこしやがると、保険課の係員が腹を立てたのはムリもないところで、そこで先生のところへ、次のような公文書がきた。
至急○保第九九二号
昭和十七年四月十五日
静岡県医師会健康保険部
赤城風雨殿
社会健康保険組合員三月分報酬請求書の件
貴医御提出標記請求書中、左記患者に対し頭書の通り葡萄糖注射を行われあるも、右注射使用の理由具体的に夫々御回答煩度及照会候也
記
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┃葡萄糖回数│病名 │患者氏名 ┃
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┃ 七│流行性肝臓炎│黒堀八重子┃
┃ 二〇│ 〃 │黒堀多吉 ┃
┃ 九│ 〃 │落合芳太郎┃
┃ 二六│ 〃 │赤木りと ┃
┃ 四│ 〃 │炭山八五郎┃
┃ 一二│ 〃 │太田太郎 ┃
┃ 三│ 〃 │木崎玉太郎┃
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先生はこれを見て気を悪くした。肝臓に葡萄糖を注射するのは当り前のことなのである。