轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はなさけるいし
花咲ける石
「週刊朝日別冊 第三号」1954(昭和29)年8月10日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,620 字 · 24 页
「それがよろしゅうございます。大先生にたのんで打ち殺してもらいましょう」
使者がミヤゲ物を山とつんで江戸表へ立ち、山崎孫七郎の出馬を乞うた。
「法神流の房吉か」
「ヘエ、左様で」
「それは容易ならぬ相手だぞ。拙者は試合を致さなかったが、彼に立ち向って勝った者は江戸にはおらぬ」
「それは本当の話で」
「ま。仕方がない。伊之吉の頼みとあれば聞き入れてつかわすが、薗原村に鉄砲はあるか」
「それはもう山中は野良同様に猟が商売ですから、鉄砲はどこの家にもあります」
「それならば安心だ」
腕のたつ高弟十数名をひきつれて伊之吉のもとに到着した。剣のほかに弓、槍、ナギナタに腕のたつ者を選んでつれてきたのであるが、伊之吉方からは鉄砲に熟練の者十数名を選び集めて合計三十余名、これだけの人数で房吉を討ちとる策をたてた。
房吉の家を訪れて試合を申しこんだところが、当日房吉は女房同行で湯治にでており、尚当分は帰らないという留守の者の言葉だ。
「どこの温泉だ」
「それが私どもには分りません。先生は山中がわが家同然、今日は東にあるかと思えば明日は西にいるという御方で、しかもこの山中いたるところ温泉だらけですから」