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はなこのちんじゅつ
花子の陳述
豊島 与志雄
「別冊文芸春秋」1952(昭和27)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,726 字 · 22 页
また、お前はいつも隅っこに引っ込んで、下らないことをこそこそやっているが、そんなものはみんな、火にでもくべてしまうがいいというふうにも受け取れるのでした。
そして電波はいろいろになって、自由に美津子さんを操縦しました。電波がたいへん強い時には、もう身動きが出来なくなることさえありました。じっと竦んで、夜など、電燈を見つめておりますと、スタンド全体がゆらゆら揺れることがありました。風もなく、地震もないのに、スタンドが揺れました。よほど強力な電波が来たに違いありませんでした。
「ほんとに揺れるのを、わたしははっきり見ました。」
そういう美津子さんの言葉には、確信の調子がこもっておりました。
母もわたくしも、もう放っておけない気になりました。どうしたらよかろうかと、相談することもありました。
そのうちにとうとう、あんなことになってしまいました。
或る晩、たいへん遅くなって、良吉さんが帰って参りました。わたくしたちはもう寝こんでおりましたが、母が起き上って丹前を引っかけ、戸を開けに出て行きました。良吉さんの帰りは夜更けのこともしばしばでしたし、時には外泊のこともありましたし、わたくしたちはそれに馴れておりました。