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わかきせだいへのれんあいろん

若き世代への恋愛論

宮本 百合子

「昼夜随筆」白揚社、1937(昭和12)年3月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,340 字 · 28 页

青空文庫

な生物的な一機能に全人間性を帰納させた生きかたを自分の生きかたとしているであろうか。私は、現代の青年のある部分は、性的なものを多様な人間の生活要素の一つとして、綜合的に自覚しているもののあることを現実に知っている。抽象的に未来の妻となる女に対する貞操とか、何か宗教的なあるいは生理的な潔癖性からでなしに、人間としての自分が肉体で結びつくまでには、やはり人間的に愛し得る婦人を必要とするたちの青年が決してなくはない。

ある唯物論者といわれている人が、某大学の学生の座談会によばれ、その学者は、青年たちに、性的な欲求は現代の社会で、その自然な解決が閉されているのだから売笑婦によってドシドシ処理して行ったらよい、病気にさえならなければよい、という意味のことを語ったそうである。ある人たちはその見解に納得したであろう。ところが、ある納得せぬ人々の一団があった。そしてその納得できなかった青年たちはある人のところへ来て訴えた。自分たちは道学者流に考えているのでもないし、性的経験に対して臆病であるとも思わないが、性的衝動を感じて、その解決をねがっても売笑婦のところへはどうしても行けない。