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くさをわけて
草を分けて
小川 未明
「せうがく三年生 13巻3号」1936(昭和11)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,772 字 · 6 页
」と、いって、政二くんは、大きなくつで、草の上を遠慮なしに踏んで入ってきました。虫たちは、どんなに驚いたかしれません。たちまち大騒ぎとなりました。
「なければ、いいよ。もうお昼だから、お家へ帰ろう。」と、政二くんは、いって、やぶの中から出ました。辰夫くんも、つづいて出ました。
「兄さん、午後から釣りにいくの?」と辰夫くんはききました。
「いくかもしれない。」
「つれていってね。」
しかし兄さんはだまっていました。ご飯を食べてしまうと、政二くんは、釣りざおを出して用意をしました。
「兄さん、僕もつれていってね。」と、辰夫くんは、また頼んだのです。
「みみずを取っておいで、つれていってやるから。」
辰夫くんは、すぐにみみずを取りにいきました。しばらくするとぼんやりと帰ってきて、
「どこにも、みみずはいないよ。」と、いいました。
「じゃ、つれていかない。」と、政二くんがいいました。
辰夫くんは、泣き出してしまいました。天気がつづいて、みみずのいそうなところを探してもいなかったのでした。
さっきから、このようすを見ていたお姉さんは、
「なんで、そんな意地悪をするんですか。