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くさまくら

草枕

夏目 漱石

一个画家厌倦了人情世故,独自钻进深山。他想找一处能喘口气的地方,却在旅途中发现——原来诗和画,都在眼前。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,485 字 · 170 页

青空文庫

一段登って佇むとき何となく愉快だ。それだから二段登る。二段目に詩が作りたくなる。黙然として、吾影を見る。角石に遮られて三段に切れているのは妙だ。妙だからまた登る。仰いで天を望む。寝ぼけた奥から、小さい星がしきりに瞬きをする。句になると思って、また登る。かくして、余はとうとう、上まで登り詰めた。

石段の上で思い出す。昔し鎌倉へ遊びに行って、いわゆる五山なるものを、ぐるぐる尋ねて廻った時、たしか円覚寺の塔頭であったろう、やはりこんな風に石段をのそりのそりと登って行くと、門内から、黄な法衣を着た、頭の鉢の開いた坊主が出て来た。余は上る、坊主は下る。すれ違った時、坊主が鋭どい声でどこへ御出なさると問うた。余はただ境内を拝見にと答えて、同時に足を停めたら、坊主は直ちに、何もありませんぞと言い捨てて、すたすた下りて行った。あまり洒落だから、余は少しく先を越された気味で、段上に立って、坊主を見送ると、坊主は、かの鉢の開いた頭を、振り立て振り立て、ついに姿を杉の木の間に隠した。その間かつて一度も振り返った事はない。なるほど禅僧は面白い。きびきびしているなと、のっそり山門を這入って、見ると、広い庫裏も本堂も、がらんとして、人影はまるでない。