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くさまくら

草枕

夏目 漱石

一个画家厌倦了人情世故,独自钻进深山。他想找一处能喘口气的地方,却在旅途中发现——原来诗和画,都在眼前。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,485 字 · 170 页

青空文庫

社会の公民として不適当だなどと評してはもっとも不届きである。善は行い難い、徳は施こしにくい、節操は守り安からぬ、義のために命を捨てるのは惜しい。これらをあえてするのは何人に取っても苦痛である。その苦痛を冒すためには、苦痛に打ち勝つだけの愉快がどこかに潜んでおらねばならん。画と云うも、詩と云うも、あるは芝居と云うも、この悲酸のうちに籠る快感の別号に過ぎん。この趣きを解し得て、始めて吾人の所作は壮烈にもなる、閑雅にもなる、すべての困苦に打ち勝って、胸中の一点の無上趣味を満足せしめたくなる。肉体の苦しみを度外に置いて、物質上の不便を物とも思わず、勇猛精進の心を駆って、人道のために、鼎に烹らるるを面白く思う。もし人情なる狭き立脚地に立って、芸術の定義を下し得るとすれば、芸術は、われら教育ある士人の胸裏に潜んで、邪を避け正に就き、曲を斥け直にくみし、弱を扶け強を挫かねば、どうしても堪えられぬと云う一念の結晶して、燦として白日を射返すものである。

芝居気があると人の行為を笑う事がある。うつくしき趣味を貫かんがために、不必要なる犠牲をあえてするの人情に遠きを嗤うのである。