轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くさまくら

草枕

夏目 漱石

一个画家厌倦了人情世故,独自钻进深山。他想找一处能喘口气的地方,却在旅途中发现——原来诗和画,都在眼前。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,485 字 · 170 页

青空文庫

鏡と云う道具は平らに出来て、なだらかに人の顔を写さなくては義理が立たぬ。もしこの性質が具わらない鏡を懸けて、これに向えと強いるならば、強いるものは下手な写真師と同じく、向うものの器量を故意に損害したと云わなければならぬ。虚栄心を挫くのは修養上一種の方便かも知れぬが、何も己れの真価以下の顔を見せて、これがあなたですよと、こちらを侮辱するには及ぶまい。今余が辛抱して向き合うべく余儀なくされている鏡はたしかに最前から余を侮辱している。右を向くと顔中鼻になる。左を出すと口が耳元まで裂ける。仰向くと蟇蛙を前から見たように真平に圧し潰され、少しこごむと福禄寿の祈誓児のように頭がせり出してくる。いやしくもこの鏡に対する間は一人でいろいろな化物を兼勤しなくてはならぬ。写るわが顔の美術的ならぬはまず我慢するとしても、鏡の構造やら、色合や、銀紙の剥げ落ちて、光線が通り抜ける模様などを総合して考えると、この道具その物からが醜体を極めている。小人から罵詈されるとき、罵詈それ自身は別に痛痒を感ぜぬが、その小人の面前に起臥しなければならぬとすれば、誰しも不愉快だろう。

その上この親方がただの親方ではない。