轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あらほうし

荒法師

山本 周五郎

「講談雑誌」博文館、1944(昭和19)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,734 字 · 36 页

青空文庫

のはそれから七日めのことだった。寺のほうへ詰めていたという七兵衛が戻って来た朝、はじめてかれは寝床の上に起き直って食事をしていた、「命びろいをなさいましたな……」老人は枕許へすり寄ってそう云った、「お経蔵は風下になっていたものですから、本堂の焼けおちるまえに火をふきだしたそうです、客殿だけは残りましたがあとは眼も当てられません」「いったい火をかけたのはなに者なんだ」俊恵はまだなにも知らなかったのである。「石田治部少輔の軍勢でございます」「石田、……治部少輔が攻めこんで来たのか」「なんでも三万の軍勢で、館林を攻めおとすなりまっすぐに押寄せたのだそうです」七兵衛老人は次ぎのように語った。……豊臣秀吉は天下の威勢を集めて小田原を囲んだが、その一方で上野から武蔵、上総にかけて散在する北条氏の属城を攻めさせた、総帥は石田三成、その下に大谷吉継、長束正家らを将とした兵三万は、草原を踏みにじる如く上野から武蔵へ殺到した。これに対して館林城にいた北条氏規をはじめ、板倉、北大島、西島、足利など十八城では、その城将の殆んど全部が兵をひっさげて小田原へ入っていたので、留守軍はみな館林へ合体して防戦に当った、けれども三万の石田軍は僅か三日にしてこれを揉み潰し、その勢いを駆って忍城へと攻寄せた