轻松读懂日语经典作品
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あらほうし
荒法師
山本 周五郎
「講談雑誌」博文館、1944(昭和19)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,734 字 · 36 页
「……うん、みんな重傷とみえるな」槍を持った武者が不決断にそう呟いた、すると次ぎの者が「身動きもできぬ者なら捨てて置いてもいいだろう」と云い「そうだ落人さえ匿まっていなければ……」そんなことを申しわけのように云い合うと、来たときとは人間が違ったように、おとなしく外へ出ていってしまった。
家人は始終のようすを震えながら見ていたが、三人が去ってゆくと花世がいきなり俊恵のそばへ走り寄った。「ありがとうございました俊恵さま、おかげで皆さまのお命が助かりました、わたくしもうだめかと思いまして……」「わたしに礼を云うことはない、無事に済んだのはあなた方に御仏の加護があったからだ、けれども」そう云いかけて俊恵は七兵衛のほうへふり向いた、「これからもまだ負傷者は出るだろう、それを全部この家で介抱するわけにもゆくまい、幸い寺の客殿が焼け残ったというのだからあっちへ運んで世話をしたらどうか、そうすれば寺のことではあるしおまえ方にも迷惑はかからないで済むだろう……」「それはようございますな、わたくし共の迷惑はともかく、ここでは狭くて身動きもできません、ぜひそうさせて頂きましょう」