轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

らくご・きょうそれつでん

落語・教祖列伝

坂口 安吾

02 兆青流開祖

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,007 字 · 25 页

青空文庫

家老様にお願い致しますが、モチ竿をかしておくんなさい」

モチ竿をとりよせてもらッて、仕方がないから、立ちあがる。

「面小手は、いかがいたす」

「そういうものは、いりません」

「殴られると、痛いぞ」

「どうも仕方がございません。そういうものを身につけたことがございませんから、かえって勝手が悪うございます」

「コレ、コレ。もそッと前へでて立ち会いをいたせ」

「いえ、そう前へでてはいけません。先ず、このへんのところへ、こう、腰の位をキッときめまして」

腰をキッときめたのだそうだが、まことに見なれないヘッピリ腰。トンボをつるのと同じ手ツキでモチ竿を突きだして、チョイ、チョイ、チョイと先のフリをためしてみる。

「よござんすか。そろそろ、やりますよ」

そろそろやる剣術なんてものはない。

石川淳八郎は、こんな奇妙な試合は、見たことも、聞いたこともない。まことに奇怪な曲者であると思ったが、イヤ、イヤ、腹を立ててはいかん、敵をあなどってもいかん、天下は広大であるから、油断して不覚をとってはならぬぞ。さすがに老成した達人であるから、血気の荒武者とちがって、心得がよろしい。

「しからば、ごめん。