轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
「大阪毎日新聞 夕刊」1928(昭和3)年12月3日~1929(昭和4)6月17日<br>「東京日日新聞 夕刊」1928(昭和3)年12月3日~1929(昭和4)6月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,066 字 · 216 页
「自分でもそれは認めているの。―――でも今日はいいのよ、高夏さんがいらっしゃるからってそう云ってあるの。―――第一お客さまを放って置いちゃ、このお土産に対しても失礼だわ」
「よくそんなことが云えるなあ、昨日は一日いなかった癖に」
「昨日はそりゃあ、要が話があるだろうと思ったから。………」
「それじゃ今日は奥様デーか」
「とにかくあっちの日本間の方へいらっしゃらない? あたしお腹が減っているのよ。上らないでもあなたも見物に来て頂戴」
「帯はどれにきめるんです」
「まだきめてないのよ。あとでゆっくり見せて戴くから、店を拡げてお置きなさいよ。―――あなた方は御飯が済んだんだからいいでしょうけれど、あたしはペコペコなんだから。………」
梯子段を降りしなに階下の洋室を覗いて見ると、要はいつかヴェランダから其処へ移ってソファへ仰向けになりながら、まだ熱心にさっきの本を読みつづけていたが、廊下づたいに日本間の方へ行く足音に、
「どうしたい、いいのがあったかい」
と、気のなさそうな声をかけた。
「駄目なのよ。高夏さんは。お土産お土産って触れ込みばかり大きくって、そりゃあしみッたれなんだから」