轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みかん

蜜柑

山本 周五郎

「キング」大日本雄辯會講談社 、1941(昭和16)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,307 字 · 25 页

青空文庫

二

「お太刀脇」というのは側衆のうちで、江戸表にも国許にも扈従する役である、中小姓とは格段の出世であるし、食禄も百石加増されれば五百五十石になる。退身しようと心をきめていた源四郎にとっては、まったく思いがけない恩命であったが、

「……恐れながら」と彼は平伏したまま答えた。

「お沙汰のほど面目至極にはございますが、源四郎めもはや御奉公はなりがたく、お慈悲をもっておいとまを頂戴いたしとう存じまする」

「いとまを呉れと……?」

頼宣はいぶかしそうに問いかえした。

「異なことを申す、いとまを呉れとはどういうわけだ、太刀脇の役が不足だというのか」

「もったいない仰せ、けっして、けっして左様なしょぞんではございません、ただ」と云いさして源四郎は口をつぐんだ。

二

「どうした、そのわけを申してみい」

「……恐れながら」

源四郎はしばらく躊躇したのち、思いきったように云った。

「源四郎め生来の未熟者にて、まことの御奉公ぶりを知らず、武士いちにんのお役にたたぬと申されましたゆえ、このうえおつかえ申してはいちぶんが相たちません」

「誰が左様なことを申した、誰だ」

「……それは申しあげられませぬ」