轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
うらぎり
裏切り
「新潮 第五一巻第九号」1954(昭和29)年9月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,343 字 · 70 页
これは普通の人間にはできません。乞食根性が身にしみついているのです。生活の最低線を押えておこうという心の働きは誰にもあるかも知れませんが、奴のはその最低線がタダメシで、その週に二三回のタダメシのために愛慾をギセイにできるというのですから、まるでタダメシに身を売っているようなものです。働いて生きぬく人間の誇りなぞはないのです。シンからの乞食根性と云う以外に適当な表現はないんじゃないかと思われます。
★
日野は自分がタダメシを食うばかりではと気に病んでかお金持の法本重信をつれてきました。もっとも法本は金づかいがキレイの方ではありません。女中にチップをはずんだこともありませんし、お酒なぞも飲める口でありながら酔うほどは飲まないタチでした。
法本は経済学の博士だか教授だかの子供で、これを出藍のホマレと申すのかも知れませんが、ぼくらと同年輩でありながら、株で七八百万もうけたそうです。人によっては千万以上とふんでる者もおります。それをまた株でするようなバカはしません。自動車と家を買ったのですが、それを売って、また、もうけました。それが病みつきでブローカーを開業し、さるビルディングに然るべき事務所を持ってるのです。