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ごろのろんり
語呂の論理
中谷 宇吉郎
「中央公論」1938(昭和13)年12月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,587 字 · 14 页
しかしそういう別の科学が出来たら、その応用方面も別に開かれると見るのが至当であるから、それは直ぐに現代の機械工業や軍需工業の方面に、急には役に立たないところの或る別のものになると考える方が本当に近いであろう。とにかく、今は我国は未曾有の非常時局に直面しているのであるから、取り敢えずは、日本意識に眼覚めた科学などに注意を向ける暇はないはずである。それも独逸のように、もっと重大な問題、即ち民族の結束というような緊急問題に直面している国ならば、「独逸物理学」もまたやむをえないのであろうが、われわれにとっては、今のところは、西洋科学をもっと取り入れて、なお一層強い機械力を産み出すのが当面のつとめであろう。
ところが極一部の人ではあるが、日本意識に目覚めた科学などを起そうと企てている人の中には、こういう非常時に遭遇している際だから、特にそういう問題が必要だと思っている人もある。そうすると今の話とはまるで反対の結論になってしまう。誠に不思議なことである。
今の場合と限らず、この頃の世論の中には、同じ環境にいて、同じ目的を持って話をしているのに、結論が両者まるで反対になっている場合が、外にも沢山あるように思われる。