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「ふんしょじだい」のしゅつげん
論理とその実践――組織論から図書館像へ――
中井 正一
中井正一『論理とその実践――組織論から図書館像へ――』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「焚書時代」の出現、生まれ変った赤坂離宮、国立国会図書館について、知識と政治との遊離、地方文化運動報告、図書館法楽屋話、図書館法の成立、野に山にかかる虹の橋、民族の血管、「良書普及運動」に寄せて、機構への挑戦、巨像を彫るもの、国立国会図書館、集団文化と読書、実践について、組織としての図書館へ、地方の青年についての報告、聴衆0の講演会、図書館法ついに通過せり、図書館法と出版界、歴史の流れの中の図書館。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 57,021 字 · 120 页
しかし、むしろヒロイックになって、その時の私の講義の出来栄えは、自分でも相当満足すべきものと思うものがあった。
館の横には太陽館という映画館がある。私の最も対象とした、帰還軍人、特攻クズレは白いマフラを巻いて群をなしてうろついている。それだのに私の講演は、閑古鳥が鳴きつづけた。その寒むざむとした思いは、今思い出しても腹の冷えるような思いであった。
市は私の図書館に電気を仲々つけてくれなかった。ついに私は十二月二十八日思い切ってポケットマネーで電気をつけ、早速希望音楽会を開いた。チャイコフスキーの「悲愴」とベートーベンの「第九」という、敗戦の年の暮を一層重く苦しくするものを敢えて選んだ。百名の青年男女が、ガラス窓の破れてソヨソヨ風の吹き透す会場で、皆外套襟巻すがたで聞き入った。第九の合唱がはじまるまで、人々は壊えはてし国の悲しさが、この部屋に凝集するかのような思いであった。そのかわり、「第九」の合唱となり「ああ、友よ」と遠い敗れ去ったドイツから、二百年の彼方シルレル、ベートーベンから呼びかけられたとき。皆、深く、頭をうなだれて、眼に涙をうかべさえしたものもあった。