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「ふんしょじだい」のしゅつげん
論理とその実践――組織論から図書館像へ――
中井 正一
中井正一『論理とその実践――組織論から図書館像へ――』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「焚書時代」の出現、生まれ変った赤坂離宮、国立国会図書館について、知識と政治との遊離、地方文化運動報告、図書館法楽屋話、図書館法の成立、野に山にかかる虹の橋、民族の血管、「良書普及運動」に寄せて、機構への挑戦、巨像を彫るもの、国立国会図書館、集団文化と読書、実践について、組織としての図書館へ、地方の青年についての報告、聴衆0の講演会、図書館法ついに通過せり、図書館法と出版界、歴史の流れの中の図書館。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 57,021 字 · 120 页
組織としての図書館へ
一九三九年、アーチボルド・マックリーシュ氏がアメリカ国会図書館長に任命されたときは、全米図書館人は、彼がこの道のズブの素人であるという理由をもって反対したものであった。
彼は詩人であり、かの『化石の森』『リンカーン』の作者であるシャーッウドと親友でもあり、また、ルーズベルトの『炉辺閑話』等の文章のブラックチェンバーであったといわれている。
それが突如、国会図書館長となったのだから、一つのセンセーションを全米図書館界に起したことは容易に想像される。
彼はしかし、実に颯爽と、この図書館の改良に着手したのである。戦争という現実が、国会図書館をして、閑日月を楽しむ底の読書機構であることをゆるさなかったのではあろうが、この大任に敢然とついた素人としてのマックリーシュの心境は、察するに余りあるものがある。
後にユネスコの大憲章の筆を取ったヒューマニスト詩人としての彼が、敢えて事務官としての図書館長として、五年間を如何に過したか、恐らくそれにはおのずから、映画のシナリオにふさわしい心の中のさ迷いが、彼の眼の前に展けたに違いない。
敢えてその中に彼が飛び込み、かつその中に溺れなかった所以は、集団的組織の中に適応することのできる近代精神の詩人であったからであろうか。