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ちょうほうちゅうけいきょく
諜報中継局
海野 十三
「新青年」1944(昭和19)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,537 字 · 40 页
余は物量を以て、完全に日本を屈服させ得るという信念を今もって堅持している」
ゼルコフ「困った信念だ。そういう信念は、対日戦の現段階に於て、一日も早く訂正さるべきだ。日本軍及び日本国民を物量だけで屈服せしめることは出来ないのだ。敢えて訊くが、日本軍の体当り戦法に対して、われは適確なる防禦を未だに持っていないではないか」
大統領「適確なる防禦法は、豊富なる物量を持って押すことだ。攻めるも護るも、これで押徹せばよいのだ。遅疑逡巡すれば、そこに破綻が生ずる。君がそういう国家の不利益を、この上もたらさないことを望む」
ゼルコフ「なんだって。そんなぼんくらな考えで大統領でございと納っていられてたまるものか。おれはこれを委員会へ警告しておくからな」
大統領「それは御随意に。余が大統領である以上、それを余の最善と信ずる方向へ向けるのは蓋し当然のことだ」
ゼルコフ「待て。きさまを大統領にしたのは誰だか知って居ろう。国民じゃないぞ。われわれの委員会だぞ」
大統領「余は大統領である。誰が余を大統領に選定したにしろ、余は大統領たるの職権を信ずるところに従って振うばかりである」
ゼルコフ「きさまは気が変になっているんだ。