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ちょうほうちゅうけいきょく

諜報中継局

海野 十三

「新青年」1944(昭和19)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,537 字 · 40 页

青空文庫

10

始めから喰わせ者だったのか。それとも彼に気に入らない事柄があるのか……」

(間)

大統領「そうだ。彼奴は怠業しているんだ。よし、決心したぞ。科学技術界を軍隊化するのだ。生産界も軍隊化だ。みんな軍隊化だ。仕事は命令だ。それに反する者、命令どおりに仕事をあげない者は銃殺だ。それがいい。デモクラシーをどうするって。デモクラシーが何だ。余は勝たなければならない。うん、言いたい奴は何とでもいえ。余は大統領だ。余は欲するままに、余に貸付けられたるわが国を動かす権利があるんだ」

10

白堊館の大統領寝室に於て。

影の大統領「いくら兵力を太平洋方面に注ぎこんでも、焼石に水ではないか」

大統領「乞う、余に時間を貸し与えよ」

影の大統領「わが国力を破産浪費させるために、きさまを大統領にしてやったのではないぞ」

大統領「乞う、余に時間を……」

影の大統領「昨日から始まっている日本軍の体当り機のワシントン爆撃、ニューヨーク爆撃はあれは何だ。わが防禦力を発揮し得ないのはどうしたわけか。世界各国に兵器弾薬をふんだんに貸与しているくせに、自分の頭の上を防禦できないとは何ということだ。おい、聞いているのか」