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ちょうほうちゅうけいきょく

諜報中継局

海野 十三

「新青年」1944(昭和19)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,537 字 · 40 页

青空文庫

記者パイク「そうかなあ。しかし僕はユダヤ人組合――“影”の委員会の実力をそんなに下算したくない。大統領は、此頃すこし頭がどうかしているね」

編集長「そうでもない。彼はあくまで大胆にして、あくまで細心さ。そうだ、今晩十一時から、プリストン大学でアインスタイン国防科学研究会議が開催される。君、そこへ行ってくれ」

記者パイク「その会議は、例によって記者は締め出しでしょうな」

編集長「もちろんだ。西太平洋に於ける惨敗の直後のことだから、警戒は一層厳重となろう。外科の大家ヴィニー博士を帯同して行った方がいいな」

記者パイク「今晩の会議の内容は分っているのかね」

編集長「分らない。しかし想像は出来る。日本軍の体当り戦術に対しての対策研究に在ることは明白だといっていいだろう」

記者パイク「ああ、体当り戦法。実際あれはすごいなあ。日本人の心理が分らん。ニミッツは日本兵を『猿だ』といったが、猿でもなければ、人間としてあんな真似はやれない」

編集長「猿が自殺したことは記録にない。あれは人間でないとやれないことだ。ここだけの話だが、日本人は世界中で一番崇高で一番潔癖で一番道徳の高い民族だ。