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まめせんすいていのゆくえ
豆潜水艇の行方
海野 十三
「家の光」家の光協会、1941(昭和16)年8月~1942(昭和17)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,245 字 · 41 页
「あ、部長。あれが潜水艇ですよ。青木学士の発明した世界一小さい潜水艇は、あれなんです」
「おお、あれか。あのぼーっとあかるいのは、なにかね」
「あれは、潜水艇の出入口の蓋があいているのです。艇内にはだれかがいて、電灯をつけているから、それが出入口のところから外にもれて、あのように、ぼーっとあかるいのです」
「ああ、そうかね、トニー。しかし、中に人がいるのでは、ぬすむのに、つごうがわるいじゃないか。なぜといって、そうなると、きっと相手がさわぎだすにちがいないからね」
「しかたがありません。すこし荒っぽいが、あいつらを、ねむらせてやりましょう」
「ねむらせるといって、どうするのか」
「毒ガスを使うのです。みていてください」
トニーは、三四人の仲間をつれて、そっと潜水艇の近くにしのびよりました。トニーの手には、手榴弾のような形の毒ガス弾がにぎられています。
「やるから、みんな、用心をして……」
トニーは手をあげて、合図をしました。それから、豆潜水艇のそばによると、蓋のあいだから毒ガス弾を、えいとなげこみました。
「それ、蓋をしろ!」
トニーの二度目の合図で、うしろにしたがっていた数人の大きな男は、豆潜水艇のうえにとびあがると、ちょっと蓋の中に手をさし入れて、つっかい棒をはずし、蓋を上からおさえて、ぴしゃんとしめてしまいました