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とうふかい

豆腐買い

岡本 かの子

「三田文学」1934(昭和9)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,329 字 · 29 页

青空文庫

異人さんと一緒にいると我儘をいうのも時間制度よ。

アンリーはあたしを燃やし尽そうとする。菜種油で自動車を動かそうとする。

触って呉れずに愛して呉れたらねえ。

まわりの静まった夜なんか二人差し向いで居てふいと気がつくと、おや大変異人さんと一緒にいる。と逃げ出したくなることがあるのよ。

あなた異人さんのしょげたところ見た? まるで子供よ。

異人さんの不器用な大股で日本の家の鴨居に頭をぶつけないように歩るく不器用さは初めはほんとに愛嬌があるけれど見慣れて嫌になり出すととても堪らないものよ。

異人さんはやきもちやきよ。

あの人、海苔を食べるのを稽古し出したのよ。

異人さんの愛情というものはくどいからすぐ腹が一ぱいになるけれども永持ちしないの。だからしょっちゅうちょいちょい食べなきゃならない。

この頃はお豆腐を食べても舌で味い分けられなくなったわ。始終脂っこいもののお相伴をするせいよ。

それでいてお豆腐の味が忘れられないの。だからただ見ているの。

日本の男の人と話をしただけでも怒るのよ。

ツネリ方をわたしに習ってわたしをツネルのよ。

でも、どうしても日本の男の人とお友達になりたいの、それで子供ならいいというので子供のお友達をこしらえたものの十六の少年ではいけず、十四の少年でいけず十三の育ちの悪い直ぐ顔を赭くする